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2025.06.06 塾長ブログ

国語の偏差値が安定しないあなたに(自分もそうでした)

執筆者紹介:木村友哉

オンライン個別指導塾「医塾」代表。「生徒ファースト」の指導で、担当生徒のために年間で最大約1900年分の過去問を解き、個別指導講師として14年以上、多くの生徒を難関大・医学部へと合格させている。指導科目は生徒から要望があれば持ち前の勉強量を活かし、数学・英語・現代文・小論文・推薦対策など多岐にわたる。医塾では主に数学と小論文を担当。東京大学文3(英語・数学を担当)や、千葉大学医学部(数学を担当)名古屋大学(英語・現代文を担当)、慶應大(英語・数学・小論文を担当)など、難関国公立大学や国私立医学部に多くの生徒を合格させた実績を持つ。その他推薦対策(志望書の添削、面接対策)も行っており、筑波大学(生物資源学類)、慶應(看護、文、総合政策、環境情報)、上智大学(外国語学部英語学科)等、数々の生徒を合格させている。

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こんにちは、医塾の木村です。

皆さん国語は得意科目ですか?

私は可もなく不可もなくでした。
*ちなみに、後ほど述べますが、国語が「可もなく不可もなく」は結構危険です。

現代文も得意ではありませんでしたが、勉強しなくてもなんだかんだで50~60点くらいの点数が取れるので、「苦手科目」という認識はありませんでした。
模試の偏差値は良かったり悪かったりの乱高下で、「筆者が心の友だった」と感じて高得点が取れる時もあれば、「ナニコレ・・・日本語使えよ・・・」と思いながら撃沈することもありました(苦笑)

私と同じような人は多いのではないでしょうか?
ちなみにこの状態は「かなり危険」です。
仮に偏差値70を超えたことがあるとしても、この状態は、国語(現代文)が「できていない」んです。

古文・漢文についてはもはや外国語に近く、勉強しないと取れない科目だと思われるので、今回は国語の中でも現代文を中心に述べていきます。

危険な理由:「そこそこ点数が取れる、たまに良い時もある」ので、勉強の必要性を感じにくい。

数学など理系科目は勉強しなければ0点の可能性もある科目だと思います。
ただ、国語の場合は(特に定期テストだと)マーク式であることも多く、なんとなく記号が当たってしまったり、「よくわからないけどこれっぽいな」と選ぶと一部の問題は正解できたりするので、極端に低い点数は意外と出なかったりします。

そのため、現代文のテスト対策は、「漢字だけ覚えればいいや」と言ってテストに向かってしまう人も多いです。
そして無難な点数を取って「60点かぁ。まぁあんまり勉強してなかった割にはそこそこ取れたかな」と自分を納得させて、反省もせず次に向かいます・・・。(実体験)
次の試験でも、「他の科目で忙しいからとりあえず漢字だけはやっておくか・・・」と同じようなことをしてしまいます。(実体験)

当時の私も含め、「現代文は結局日本語じゃん!英語と違ってなんとなく読めるじゃん!」と思って読解の勉強・文章を読み解く練習をしていない人はまだまだ多い印象です。
私も高校生まではノリと勢いでなんとなく解いていましたが、この仕事をして初めて、現代文にはきちんと解き方があることや、練習が必要であることを知りました。

ただ、今考えてみると当たり前なんですよね(笑)勉強に限らずですが、何事もやらなければうまくなりません。
「そんなの当たり前じゃん」と今は思えるようになりましたが、なぜか現代文だけはそれに気が付かず、私のようにノリで進めている人が多いです(苦笑)
おそらくですが、「何も勉強しなくても点数が取れる人がいるし、現代文は勉強する科目じゃないんだ」(クラスまたは学年に1人くらいそういう人いますよね)、「教科書だけ進めていく授業で、問題を解く機会が少ないから仕方ない」、「そもそも解き方なんて教わってないから知らない」等、原因は様々あると思われます。
ただ、原因はどうあれ、私も含めた大多数の人は基本的に現代文であっても読解の練習は必要です。

「文章が読める」というのは、「文章を音読できる」ということではない。

意味が分からなくても読み方さえわかれば音読はできます。これも広い意味では「文章を読める」と言えなくはありません。
しかし、文章の構造や、論理構造まで正確に読み取ることができなければ「文章が読めた」と言えないんです。
これに気が付いて読解の勉強を始めた人は、実は大きなメリットがあります。それは、現代文を通して読解の練習をすると、「現代文以外の科目でも点数が伸びる可能性がある」ということです。
入試の英語長文は現代文よりも論理構造が読み取りやすい問題が出題されることが多いので、現代文の論理展開が読めるなら英語長文も読み取れるようになり、英語長文の点数が伸ばせるようになります。
また、理系科目についても、教科書の説明などは全部日本語で書かれているので、結局は「読解力」が必要になります。
高校生くらいになってくると、「そもそも教科書や問題集に書いてある内容が分からない」という質問も増えてきます。例えば、生物であれば、解説の説明が分からないという質問も多く、(私は生物専門ではありませんが)解説の文章をかみ砕いて説明すると「わかった!」と納得してもらえることも多いです。これも文章が読み解けないことが原因ですね。
また、入試問題演習でも同様です。例えば、化学の問題で、実験の過程が問題文に書かれてい→文章が長いので結局何が聞かれているかわからなくなる→ギブアップ、となってしまう人も多いです。
先生が「この問題は結局これが問われてるんだよ」とかみ砕くと、「なんだ、これ簡単じゃん!」と即答できたりします。
つまり、知識が身につけられたとしても、結局問題は解けないんです。

このように、文章が読めないと、教科書や問題集から知識を正確に習得できなくなったり、知識が身についても入試問題では解けなくなってしまうことがあります。
どの科目にも共通して必要な能力が「文章を読み解く力」であり、現代文を通して鍛えられるというのはぜひ知っておいてほしいところですね。

中学入試から東大レベルの大学入試まで解法はほとんど一緒ですし、社会に出てからもそうした論理構造を把握する力は仕事で役に立つので、読解力は一生使える能力の一つだと思っています。