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2026.06.16 塾長ブログ

【合格者の使い方公開】 数学Ⅲ・Cの入門問題精講(改訂版)は本当に入門なのか

執筆者紹介:木村友哉

オンライン個別指導塾「医塾」代表。「生徒ファースト」の指導で、担当生徒のために年間で最大約1900年分の過去問を解き、個別指導講師として14年以上、多くの生徒を難関大・医学部へと合格させている。指導科目は生徒から要望があれば持ち前の勉強量を活かし、数学・英語・現代文・小論文・推薦対策など多岐にわたる。医塾では主に数学と小論文を担当。東京大学文3(英語・数学を担当)や、千葉大学医学部(数学を担当)名古屋大学(英語・現代文を担当)、慶應大(英語・数学・小論文を担当)など、難関国公立大学や国私立医学部に多くの生徒を合格させた実績を持つ。その他推薦対策(志望書の添削、面接対策)も行っており、筑波大学(生物資源学類)、慶應(看護、文、総合政策、環境情報)、上智大学(外国語学部英語学科)等、数々の生徒を合格させている。

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こんにちは、医塾の木村です。
今回は旺文社から出版されている入門問題精講を紹介します。
私の周りだけかもしれませんが、使っている生徒様が非常に多いですね。

市販されている網羅系の参考書の中で、チャート式に並ぶ有名書籍だと思います。
ただ、「入門」と言いつつも、あまり入門者用ではない気がしています・・・
数学のテキストあるあるですが、いわゆる「タイトル詐欺」っぽいところがありますよね。「やさしい」と言っているのに全くやさしくないとか・・・。

入門問題精講についても、同じことが言えるかなと思います。
とても良くできている反面、初学者が一人で勉強するのはかなり大変です・・・。
誤解しないでほしいのはテキストの解説が「わかりにくい」ということではありません。わかりやすいと思いますし、丁寧なアプローチだと思います。
きちんと文章で説明してくれています。
(また、計算過程の式に対しても、今何をしているのかをきちんと言語化してくれているのはとても好感が持てます。)

ただ、最初の解説が丁寧だからこそ結局何が大事かわからず、練習問題を解こうとしても「よくわからない・・・」となってしまう部分があります。
数学ができる人からすると「よくまとまっているし、丁寧に式変形をして解いている」と好感が持てる反面、初学者は「え・・・よくわかんない・・・計算大変・・・」となってしまいます。
例えば、三角関数の微分も、定義に従った微分をするために和積の公式(数学2)の説明が挟まれたりと、誘導がとても丁寧なのですが、逆に初学者は「何か色々出てきた・・・」とそこでギブアップしてしまいます。

入門者がこの説明を読んで解けるようになるのであれば結構な実力者な気がします・・・。
ちなみに、数学1Aは具体例を挙げたり、図も豊富で全体的に読みやすい方だと思います。ただ、数学2Bからちょっと雲行きが怪しくなり、数学3Cはこれ結構難しくない?という感じです。

このテキストが向いている人

・数学はそこまで嫌いではないが勉強をしてこなかったから1から勉強したい人(社会人再受験者を含む)
・一通り勉強したけど、あまり基礎が分かっている気がしないから一通り復習したい人
・曖昧な部分をなるべく排除して定義から丁寧に解いていきたい人

このテキストが向いていない人

・数学が苦手で、式を見てアレルギー反応が出る人
・中堅校レベルを狙いたい人で、手っ取り早く問題が解けるようになりたい人
・問題演習をたくさんしたい人(掲載されている問題自体は少し少なめです)

入門問題精講の具体的な使い方(主に大学受験に向けて)

テキスト自体は良いものだと思いますので、使い方が大事になります。

ではどうすればよいのかを具体的に解説していきます。

【基本精神】

「完璧主義にならないこと」です。完璧主義は時には大事になるのですが、勉強を進める上では弊害になることの方が多い気がしています。(私も苦労しました)
趣味で取り組む分には好きなだけ考えて構いませんが、受験勉強であれば締め切り(入試日)が決まっているのであまり悠長に考えている時間もありません。
1回読んだ本を改めて読み直すと発見があるように、一度進めてしまって改めて戻ってくるとわかることも実は多いです。
わからないと気持ちも沈んで勉強が進まなくなりますので、「取り敢えず問題が解ければよい」というような割り切った姿勢が時には大事になります。

使い方フローチャート

1.単元の最初の解説はいったん見てみて、よく分からなかったらいったん「ふぅ~ん」と読み飛ばす
確かに最初に大事なことは書いてあります。ただ、一生懸命読んでもよくわからないということは今読むべきではないということです。
RPGをやったことがある人ならわかると思いますが、「まだ今のレベルでは入れないダンジョンだった」というだけの話です。あとでレベルアップして戻ってくれば良いので、一旦読み飛ばします。

2.ただし、青い網掛け部分(公式)だけはチェックしておく
公式としてまとめてくれているところの式は要チェックです。それを見ながら、すぐ下にある具体例を実際に手を動かして計算してみましょう。

3.練習問題に取り組む
公式が分かったら、1~2ページ先にある練習問題を解いてみましょう。問題を見て、少し考えて解ければOKです。5分くらい考えてよくわからなければ、解答を見てしまってOKです。解答を見ながら実際に手を動かしてノートに計算を書いてみてください。ただ書き写すのではなく、どういうことをしているのかを口頭で説明しながら書くことをお勧めします。
例:「この問題は分数の形になっているから商の微分をして~」

4.再度練習問題を解く

今度は解答を見ないで解ききってみてください。わからないところは5分考えて解答を見てOKです。この時に印(正の字)を書いたり、日付を書いておくと後で復習しやすいです。

5.次の単元へ(1番に戻り、1~4番を繰り返していく)
この調子で一つずつ単元を進めていきましょう。

6.復習するときは印や日付が付いている問題を解く
勉強した翌日に、前日勉強した練習問題で印が付いているところを解いてみましょう。できなければ解答を再度読んだ上で再度印や日付を書いておきましょう。

6-2.できれば類題の演習を重ねる
色々な問題に触れていった方が良いですね。他に持っているテキストがあれば類題演習を重ねていきましょう。(学校の問題集等でも構いませんし、無ければ別途問題集を用意しても良いと思います。)

7.再度単元の最初の説明を読んでみる
1番で飛ばしたところの説明を見てみましょう。最初の時と比べると、書かれている内容が分かるようになるかなと思います。それでも100%理解できないことは多いです。「それならそれでOK。とりあえず問題は解けるようになった」と割り切って次に進んでしまって大丈夫です。
(どうしても不安な人は調べたり誰かに教えてもらったりと別のアプローチをしても構いません)

8.1章分進めたら・・・
一通り終わったら次の章に進んでも良いのですが、基礎問題精講にステップアップして、同じところを進めてみるのも一つです。
基礎問題精講は入試基礎レベルなので結構ステップアップする形になりますが、本屋さんで中身を見てみて、今なら解けそうだ・・・!と感じたらこうしたテキストを並行して進めるのも一つの戦略です。結局入試レベルの問題に触れていかないと入試問題は解けませんので。

ちなみに、1冊やりきることも達成感が得られる点で大事ですので、そのまま入門問題精講を進めていくのも一つの戦略だと思います。ただ、あえて上記で基礎問題精講へのルートを提示したのには理由があります。

「数学全然できないけどこの単元ならできます」と自信が持てる単元を1つずつ作っていくことが数学・ひいては理系科目では大事なことだからです。
理系科目は、「何となくできる」という状態で取り組んでも入試では点数になりません。
物理なら「波動・熱・電磁気は一切知らないけど力学だけは出来ます!」という人の方が(もちろんこの状態のままではダメですが)最終的には合格しやすいです。
数学も同様で、「取り敢えず一通りやりました」というタイプよりも、「確率だけは徹底して練習したからこの大問は絶対できます」、「小問集合はボロボロだけど大問4の微積分は毎回できます」というようなある意味でバランスの悪いタイプの方が最終的には合格しやすいです。
なぜなら、1つでもその単元ができるようになった人は「ここまでやれば解けるんだ」というレベル感が分かるようになるからです。
そうした感覚がつかめると、他の単元も「これくらいやれば点数が取れるな」とわかるようになります。
他方で、全部万遍なく取り組んだ場合、どこまでやれば入試できちんと点数が取れるのかがわかりません。そのため、結局万遍なくいろいろなことをやる→努力量が分からず結果不十分な取り組みしかできない→合格点に届かない、となってしまいがちです。
また、数学が苦手な人ほど「ここならできる」という単元ができると自信につながります。
自信が無いままだと「大丈夫かな・・・できるかな・・・」と不安を感じながら問題を解くことになるので、問題に集中できず解けるはずの問題が解けない生徒も多く見てきました。

入門問題精講を上手に使って、数学の自信をつけて、志望校に合格できるように応援しています!


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